テーマ:アロハを着たハンター

文学的吹き溜まりで煙草に火をつけた

百田尚樹「海賊とよばれた男」を読んで少なからず揺れた 対する文学的という価値観、人生観、人間観の 何と寛容で、甘っちょろくて、救いに満ちていることか そこには狂人も廃人も犯罪者も未熟児もボンクラも 一丁前の御託を並べて存在し得る世界がある 狂気も暴力も劣情も、堕落も退廃も、無為無能すらも なにがしかの粉飾を得ての…
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ヘヴン

前場が終わってすき家で牛丼の中盛りを食い 後場にはまだ時間があるので、時間潰しのつもりで久しぶりに寄ってみた え!? その新緑の余りの眩さに狼狽(うろた)えた 三角波に翻弄され、同じ海域をぐるぐると漂流しているはずではなかったか あ! 分かったようで分からない額に張り付いた難問の答えが 求めて止まない何処か…
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春になっても世知辛い

筒井康隆「残像に口紅を」 読了 俺にとっては別段用もない作家だが他に読む本もなく、仕方なく最近「パプリカ」他数冊読んでいた。この本に関しては、百ページほど読んで投げ出していたのを、思い出したようにこの二日で読み切った。意に反して中盤からは、さしたる主題もあるとは思えないこの作家の言葉の曲芸を遺憾無く見せつけられた。尊大で傲慢な印象…
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ステージの上

寒さや北風や長い夜の闇が招く皮袋の緊張は、 それが己れの因果や非才故であるかのように自らを苛み続けた 心を包む皮袋の微細な緊張までが常に心の抑圧に加担する現実 げに心とはなんとひ弱で面倒なものか とどのつまりあらゆる理性も、論理も、意志も 不安定な土台の上でゆらめく砂上の楼閣なのだ だが、気温が上がり、北風が…
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光の方舟

清少納言は屋敷から空ばかり眺めてる 春はあけぼの、秋は夕暮れ 夏は夜の月に蛍、冬は早朝の雪に霜 俺もまた、空ばかり眺めてる なんだろうな 千年の時空を隔てて、才女の茶目っ気あるご高説に何度もうなずく 太陽が東から昇って月が西に沈むように あゝ、春はあけぼの なんだとね ようよう白くなりゆく山ぎはは、す…
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春風、追い風

もはや自分が強運をもつなどという信仰はない 宿命は過去から引き継いだカルマであり 運命はそれを前提とした自力による伸び代と変化だ 新天地とは宿命の勢力圏から抜け出し 自力で創造した運命の領域に生きる場所を言う 自らがどこからか流れ着いたヤシの実から生まれたなら この世は生まれながらに新天地だったろう そうも…
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春か、夢か

春か 陽がだいぶ長くなった いつも彼方に逃げていたかに見えた陽は 北風が舞う中で知らず知らずのうちに光を増していた 雪解けの水が集まりちょろちょろと沢を下り始めると 死んでいるかのように固まっていた寒空の下の無彩色な小世界が 静かなざわめきの中で色彩を伴いつつ徐々に流れ始めた 夢か 生きてこの深い穴蔵の底から…
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コインロッカー・ベイビーズ 3

ハシは無口なキクと違って中学高校と人気者だった。友達を作るのがうまかったし、ハシは誰にでも優しかった。キクは陸上競技で活躍したが、球技など他人と協力してゲームを進めるスポーツは全くできなかった。ハシが至福感を音に求めたように、キクは高校に入るとすぐ棒高跳びを始め、ある高みを越える自分を想像して、何かと溶け合おうとした 昔ガゼルから…
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コインロッカー・ベイビーズ 2

母親にコインロッカーに捨てられたという これ以上の悲しみの刻印があるだろうか 乳児院という施設に保護されて その手厚い施しによって奇跡的に生を繋いだ 里親に引き取られ、学校にも通わせてもらい、誰もと同じような家族も持った そこに偽らざる無償の愛を見つけて、それでなんとか大人にもなれた だが内なる精神の亀裂は広がる…
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コインロッカー・ベイビーズ

右を見ても左を見ても 何処を見ても 今やこの国は絶望的に幼稚なただのゴミ箱だ 民主主義とインターネット、スマートフォンのコラボの行き着く先は 衆愚政治、ポピュリズム、すなわち無残なゴミ溜めでしかない そのゴミ溜め資本主義と、これまたドン・キホーテのごとく幼稚で滑稽な 数週遅れの覇権主義国家中国の、国家資本主義との激突だ…
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渋沢栄一の若き日

大佛次郎「激流 渋沢栄一の若き日」読了 幕末・明治維新は自分にとってライフワークと言えるほどに魅力的な興味尽きない時代として付き合ってきたが、日本資本主義の父と言われる渋沢栄一の視点をたどる時、戸惑うほどに維新はまた全く違う色合いを帯びて見えてくる。だがそれは類い稀な彼の人間性や能力は言わずもがなだろうが、それ以上に奇跡とも言える…
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YesterdayとTomorrowの間

用事を済ませていつも早々に後にするこの街を今日は土曜日で暖かく、なんとなく歩いてみた。歩いているうちに昔よくきたビートルズの曲だけが流れるYesterday という名の老舗の喫茶店に寄ってみようという気になった。JRの駅こそ立派になったが、流川も本通りも中央通りも、八丁堀も大手町も紙屋町も、かつての輝きを失って、つまらぬ色褪せた街に…
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新春・初手

百田尚樹「幻庵」(上)(中)(下) 読了 新春に読むには相応しいものだった 大場への一手を夢見ながら、二線への這いのような日々がいつしかずいぶん長くなった。黙って打ちつなぐことに、ハードボイルドな苦味をそれでも楽しんできた。狭まりつつある盤面と、出来上がりつつある人生の苦み哀切を十分に味わった鉄壁の厚み この一局に…
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TULLY’s で初珈琲

もう大晦日の紅白歌合戦はやめた方がいい 裏番組のダウンタウンの「ガキの使い・・」もいつまでやってるのか テレビを軸にした国民的リセットのイベントはすべてやめてくれ テレビで芸人がはしゃぎまわる声だけが部屋に虚しく響くことに何の意味があるのか 年越し蕎麦も御節も年賀状も締め飾りもお屠蘇も初詣も福袋もやめてくれ 正月帰省ラッシュと…
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錦川 2

愛宕橋をさらに下ると川下の楠木巨木群を境に、今津川と門前川に分かれる。今津川の方に掛かる橋は、今津川橋、大正橋、寿橋、新寿橋、れんぼ橋、新れんぼ橋とすでに全部歩き、渡ってみた。ならば門前川の方も歩いてみないわけにはいかない。川上から門前川橋、愛川橋、門前橋と風に吹かれながら土手沿をゆっくりと下る 日々人生の答え合わせをしている…
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錦川

吉川広家の裏切りは単に関ヶ原の戦いの一事に留まらないと俺は思う。米子城から岩国三万石に封じられてからも、長州藩に対して表面上はどうであれ、防長二国の出口の蓋としてこれを監視し、徳川幕府に逐次状況の報告をし続けたと思われる。岩国藩は同じ毛利でありながら長州藩に対する面従腹背の裏切りを、幕末に至るまで二百五十年間し続けたのだ。岩国城の真の目…
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最古のステイタス 最古の哲学

自由とは何だ 他からの強制・拘束・支配を許さず 自らの意思によって自らを強制・拘束・支配し 強烈な自己規律に生きること 他からの解放であると同時に強烈な自己ファシズム 弱肉強食・適者生存の最前線 自己規律が不完全であったり完全な自己規律を以てしても敵わぬ時 瞬足 死はやってくる 真の自由と死は紙一重だ 村上…
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岩国城

ふと登ってみようと思ったのだ 正面にあるロープウェイではなく、たぶんあるであろう登山道から いつだったか遠い昔、ロープウェイで一度登ったことはあるが、麓の吉香公園の芝生やベンチで寝転べば まず視野に入る山頂の天守ではあっても、天下分け目の関ヶ原の戦いの際、毛利方でただ一人確信犯的に家康に通じた裏切り者の、しかも築城後七年後には一…
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世界の果ての焚火 2

この圧倒的な紅葉の炎の中に立つ時 俺もまた ありのままの炎になって 燃ゆる樹々と一つになった 慎ましく寡黙で控えめな樹々達の 落葉寸前に溢れ出る思いの丈だ 彼ら彼女らの渾身の思いの吐露であり 押し伏せてきた自らの情熱と計り知れない知性の発露だ でなければ この初冬の澄んだ空に映える深紅の炎が こうまでも美…
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世界の果ての焚火

焚火をしたいとずっと思っていた カタンと音がして薪が崩れ その刹那  何かを伝えようとしているかのように火の粉が舞い上がる 闇の中に赤々と光を放ち熱を発するそれは 刻々と微妙に姿を変えながら 必然なのか 偶然なのか かろうじてここにある世界の その中心に 確かな意思をもって燃えている アニミズムや先祖崇拝や八…
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快楽への挑戦

快楽とは高等なものである 酒池肉林がすなわち快楽ではない だがそれも立派な快楽である 贅沢がイコール快楽ではない それでも快楽の王道には違いない 快楽を語るには我が人生は あまりにもお粗末だ だが快楽が人生において高等なものであることは 多くの快楽に足を踏み外した俺としては ようやくたどり着いた答えの一…
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My Way 8

今 船出が 近づくこの時に ふとたたずみ 私は振りかえる 遠く旅して 歩いた若い日を すべては心の 決めたままに 愛と涙と ほほえみにあふれ 今思えば 楽しい思い出よ 君につげよう まよわずに行くことを 君の心の 決めたままに 私には愛する歌があるから 信じたこの道を私は行くだけ すべては心の決めたままに …
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明日はどっちだ

これと言った本が見当たらず、司馬遼太郎をずっと読み返してきたが、八月に「花神」を読んで、さすがにもう飽きた。九月に髙村薫の「冷血」を読むに至っては、いよいよ俺の列車は速度を落とし、気がつけば黄泉の国とか形而上的世界とか、妙な処に立ち往生していた そんな中で、王城夕紀の「青の数学」や赤松利市の「鯖」は面白かった。自分が出口を探してい…
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河平連山

15:00‘ 河平連山3号峰の大きな花崗岩の上で一息つき 持って来た菓子パンにかじりついた 河平連山4号峰から8号峰への縦走を残して 札木峠に引き返し下山することにした 漱石の「こころ」に登場するKの何処の山だったか登頂を目前にして下山し、それが彼の甘さを象徴するかのように女を親友である主人公に取られ、襖絵をわずかに…
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彼方からの応答

俺はあれから一週間経って 何かに憑かれたように 再び河平連山ハイキングコースに入って行った 途中 空中楼閣のような 出口のない集落に閉じ込められそうになりながらも 間一髪 危機を脱し(俺にはそう思えた) 形而下的世界に戻ってきた ふと目にした集落入口の道標に 軽い気持ちで立ち寄るつもりが 果てしない登り坂…
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黄泉の国のその先

彼岸某日の気まぐれな散策に ふと入り込んだ山道の 思わぬ懐の深さに 冷んやりとした怖れにも似た何かが 俺の全身を通り抜けた 聴き慣れぬ河平連山のハイキングコースのはずだったが 蛇行する山道をバイクで登り続けても どこかに行き着くという風でもなく しばらくすると峠らしきところに出た 何の標識もハイキングコースらしい…
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つかのまの風に

宇宙はビックバンからおよそ38万年後に晴れ上がる そして季節も ようやく晴れ上がる 頭の中も晴れ上がる 憑物が落ちたような 嗚呼 まさに 生きるという  生きているという そのことが 憑物の正体ではないか 彼岸の風景の中で 四苦八苦の重荷を下ろし 自らも透明な風となって 名もない公園の …
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世に棲む日々

豊穣と多様性への巡礼 疾走する精神 それ以外には何もないと 修験道のように山に取り付いた時もあった 矢尽き刀折れ どん詰まりの枯れ井戸の底で 形而上的な世界での格闘に まだやれることがある いやそれがすべてだと 闇と仮想現実の世界を 彷徨いもした いつだったか ようやく何処かでねじまき鳥が鳴き…
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灰塵の中から

濛々とたち込める灰塵の中から粛粛として出てくるおまえは誰だ 燃え盛る炎の中から艶やかに再生飛翔するのは火の鳥 混沌と絶望の灰神楽の中から 地獄と闇と慟哭の底から 虚無と虚飾と虚空の果てから 確かな足取りで 僅かに晴れ上がる視界の中に 現れ出て来るおまえは誰だ モーゼかキリストか マトリックスのネ…
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坂の上の夏雲

四苦八苦して登り詰めたその先は 窯の底のような身の置き所のない炎熱の室だった 圧倒的な火器に包囲されて もはや身を隠す塹壕も土塁もなく 絶え間なく掃射してくる機関銃に向かってもはやこれまでと 襤褸布のような肢体を晒してゆらゆらと死の行軍をする沖縄戦だった 長い夜と低い雲の冷め切った停滞の底から見上げる坂の上の夏雲は …
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