My way 3

ステーキとワインでテカテカした額の艶福家の爺さんの 昔話も聞いてやれ 功成り名を遂げた男の 酒と薔薇の日々 多少のナルシズムは 長い風雪を経てきた今だから ご愛嬌だと思ってやれ フランク・シナトラやポール・アンカのような艶のあるいい男の 華麗なる人生の残照もいいだろう そんな男もまずいやしないがね …
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My Way 2

木枯し紋次郎 (中村敦夫 主演) 芥川隆行・エンディングナレーション 木枯し紋次郎 上州新田郡の貧しい農家に生まれたという 十歳の時故郷を捨て その後一家は離散したと伝えられる 天涯孤独な紋次郎が なぜ 無宿渡世の道に入ったかは 定かではない 時は移り YouTubeで上條恒彦の「だれかが 風の中で」を映像とともに聞…
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My Way

多くの賭場を渡り歩き いくつもの山河を越えてきた 長居をした宿場も有れば 早々に退散したところもある 四十一までは一所に懸命だったが その後は渡世の道に入った 何故その一所を捨て 渡世人になったのか 理由を並べれば山ほどあるが それは誰にもわからないと言ったほうが正確なのかもしれない それから多く…
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夏至過

コロナ禍もまた、疑心を残して過ぎ去りつつある 人々の疑心はマスクやアルコール消毒やソーシャルディスタンスに明らかな痕跡として形骸化され、流行廃れたファッションのように無感動に表明され、極めて狭い人間社会の中で、あらぬ厄災を祓うと同時に、自らが安全な存在であるという擬態を強いられ続ける鬱屈と滑稽があるばかりだ 東日本大震災以降…
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緊急事態宣言全面解除、そして梅雨入り

終わりなき暗雲の下で、そぞろ司馬遼太郎の「燃えよ剣」を読めば そこには眩しい白金のような言葉がつづられている 大政奉還がなされ、慶喜は将軍職返上を朝廷に申し出ている。いまや新選組は落日の幕軍最強の武人団となり、政治家近藤は毎日隊士団をつれ、京の諸所ほうぼうを走り回っていた。 近藤は政治家になりすぎた、と歳三はおもっ…
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疫病と新選組

幕末史に一種異様な光彩を放つ新選組の結成には、近藤勇、土方歳三も気付いてはいなかったであろう奇妙な伏線があった。 ハシカとコレラという二つの流行病が彼らをして京都に走らしめた。 文久二年(1862)、正月ごろに長崎に入港した異国船があり、病人を残したほか全員が上陸した。そのうちの数人が高熱で路上に倒れ、しきりと咳をし、やがて船に…
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ペストと新型コロナウイルス

緊急事態宣言が全面解除された日に期せずしてカミュの「ペスト」を読み終えた。時を経てコロナ禍に混乱を続ける世界の今は、米中対立、中国禍といった事の背景を除けば、ペスト菌が新型コロナウイルスに変わろうと、第二次世界大戦後の1947年に発表されたこの本にすでに余すことなくいやそれ以上に、足りないものを大いに補い総括されていた ペストの致…
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翔ぶが如く

司馬遼太郎「翔ぶが如く」全十巻 読了 解説で東大教授の平川祐弘が、日本文学史を大観するならば、「平家物語」や「太平記」の系譜に連なる作品と呼べるかもしれないと結んでいる。すでに大衆小説ではなく歴史小説をも超えて、歴史そのものと司馬遼太郎の真摯な格闘がまるで西南戦争の田原坂の戦いのように壮絶な忍耐を以って執拗に果てしなく続く。たぶん三十…
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新しい時代

数年前までよく利用した駅前のロータリーに面した珈琲ショップ 日差しを遮り、プライバシーを守るためにガラス窓に貼られたであろうシート越しの街 非常事態宣言下に社会活動が大幅に低下した街の背後に それでも広がる爽やかな五月の青空と燃えるような新緑の若葉 網の目のシートが新型コロナウィルスに侵された街を暗示していながらも …
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The Carpenters-A Song For You

がらんとしたファミレスの窓際のテーブルで一人、深煎り焙煎珈琲を飲む 1972年リリースのカーペンターズのA Song For You がBGMで流れている 優しくて美しいメロディが新型コロナウィルス緊急事態宣言下の閑散とした店内に あてもなく流れる様が、何故だか甘く切ない 1972年のポセイドンアドベンチャーや1974年…
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ウィルスの業火の行方

アマゾンの熱帯雨林火災はどうなった オーストラリアの大規模森林火災は鎮火したのか 昨年夏からの地球規模の凄まじい大火災のその後の顛末を 未だニュースで見た記憶はない その原因は何で 結果がもたらす多くの動植物と環境への影響はどうなのか 地球環境と、人類の存続に関わる問題として 徹底的に議論され総括された気配はど…
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新史 太閤記、さらに春

「国盗物語」を再読した流れから、道三、信長、光秀ときて、最後に天下を盗った秀吉を踏破しようと、司馬遼太郎の「新史 太閤記」を再読した。戦国時代の稜線を遥かに見晴るかし、秀吉という男が最後に天下を盗る必然が、彼の比類なき判断力や、器の大きさ、肝の大きさ、人間としての際立った魅力のみならず、信長を超えてすべてに自在で革新的であり得たことにこ…
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もう一つの惑星

人の命の限りあるとき、その命の限りにおいて変化を追えないものは、永遠という認識こそ正しい 科学という新興宗教が人間をつまらなくする 二千億個から三千億個ある銀河系の星団の端に位置する代わり映えのしない恒星の一つが太陽であるとして それが、人間と太陽の関係においてなんだというのか 宇宙が137億年前のビックバンで始まり…
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東方荒野を振り返る

司馬遼太郎の「歳月」「十一番目の志士」を読み返す。まだ瑞々しい我が大脳皮質に刻んだはずのわだちも、もはやその痕跡を留めるか否かというほどに茫々として風化していた この大地(大脳皮質)にも、それからいろんなことが果てしなく吹き荒れたのだ そして今は侵食し尽くされた荒涼たる平原のように静かにたたずむ 俺はシルクロードの考古学者…
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国盗物語、そして春

三十数年ぶりに司馬遼太郎の「国盗り物語」全四巻を再読した 一度読んだからと言ってそれが何であろう あるいはもう読むことはなかったかもしれないセピア色のそれは、一点の苔むすことなく新鮮な息吹に満ちていた。斎藤道三とその愛弟子と言える織田信長と明智光秀の国盗物語は、確かに戦国時代中期から後期に通底する主旋律であったかと改めて司馬遼太…
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シリウスと白梅

地球から見えるもっとも明るい恒星はおおいぬ座のシリウスだそうだ 距離8,6光年。2月から3月の宵の南の空に現れる 白色矮星の伴星をもち、鋭く輝くことから西洋では犬の目に例えられる。青星 そのシリウスはオリオン座のペテルギウスと仔犬座のプロキオンとで 冬の大三角形と言われているそうだ なんだいオリオン座の左下にそんな星が…
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ペテルギウスと紅梅

オリオン座の一角にある全天21の一等星の一つペテルギウスが2019年から急速に明るさを落としており、642光年先にある太陽の20倍の質量を持つ巨大な恒星の終末、超新星爆発の予兆ではないかと言われている 冬の夜空に気高く輝くオリオン座は、確かに記憶の中のそれとは違って精彩を欠いていた。中央の三つ星を囲む四方の一角、左上の星(ペテルギ…
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美しい時間

村上龍「半島を出よ」(上)(下)読了 下巻後半の70ページ余りの〈美しい時間〉の章を味わいたい為に、たぶん十年ぶりに再読した 俺も久しぶりに、イシハラやシノハラやタテノやサトウといっしょに 酒を飲むわけでも煙草を吸うわけでもなく 音楽を聞くわけでもテレビや雑誌を見るわけでもなく ただウーロン茶やポカリスエットを飲みながら …
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錨を上げよ 3

「錨を上げよ」・・・ まだどこかで何かが、引っかかっている 自分で言うにはなんとも調子に乗った文句だ 吉本新喜劇の「池乃めだか」が、ヤクザにボコボコにされた挙句相手が去ったのを見届けて、「今日はこれぐらいにしといたる」と啖呵を切って爆笑をかう滑稽さに似ている 今までいい加減にやってきたが、そろそろ本気出すかのような、まだ奥底…
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錨を上げよ 2

四季の繰り返しに見る輪廻の渦から錨を上げよ やれ梅が咲いたの白モクレンが咲いたのと 暑いだ寒いだ快晴だ曇天だなどと 日常に倦み、やり場のない憂いの捌け口を探すかのように 季節の移ろいに絡む繰り言などもうまっぴらだ 朝が来て夜が来て、また朝が来る 1日から1日、1週間から1週間、1か月から1か月、1年からまた1年 6…
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錨を上げよ

作田又三は同志社大を中途退学することを決意し、あてもなく東京へ出てくる。雀荘の雑用係やホストや右翼団体の運送会社を漂流し、またもや宿なし暮らしに舞い戻る。次に足立区千住のパチンコ屋の住み込み店員になった又三は、勤めだして二週間ほどしたある昼下がり、東大出のうわさのある社長で在日の新井とひょんなことから近くの食堂で一緒に飯を喰うことになる…
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スコッチ⭐︎オンザロック

今年の収穫 大沢在昌 「北の狩人」「砂の狩人」「雨の狩人」「黒の狩人」全8巻            「新宿鮫」シリーズ全10巻       北方謙三 「草莽枯れ行く」「水色の犬」「白日」       司馬遼太郎「木曜島の夜会」「ペルシャの幻術師」       谷沢永一 「司馬遼太郎のエッセンス」       船戸与一 「非合法…
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クリスマス・iOS13.3 アップデート

深夜ふと思い出し、2時間ほどでダウンロードを済ます 面倒に感じるだけの、わけもない操作を終わらせ目を閉じる OS機能の最速化・最適化・・ フル活用には程遠いものの 俺の補助機能が深夜のしじま、僅かにパワーアップ・・ で、俺はどうなのだ? IT市場を席巻するアメリカ多国籍企業GAFAのひとつAppleの 思いがけない…
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クリスマス・キャロル

12月12日 イギリス総選挙、与党・保守党 圧勝 祝、ジョンソン首相 2016年6月23日 、キャメロン首相の愚かしいポピュリズムによる国民投票の結果、彼の意に反して離脱が決まった時、それでもEUという鰯の群れのような魅力を失ったヨーロッパに風穴を開けようとするイギリス国民の危機感と気概に、ある種歴史的な高揚感すら感じたりも…
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直線とは何だ

直線なんて大方つまらない 日常の中でそこらじゅうに散らばる直線の切れ端は 陳腐な人間の活動の虚しい残骸だ 直線こそは文明の象徴であり 存在を主張するささやかな砦であり 未来の墓標なのだが それでも 人はみな直線に引き寄せられるように 巨大都市の高層ビル群や縦横に交差するハイウェイに憧れ でなけれ…
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その造形に夢の形を見た

真昼でも10度を切る師走だというのに 目一杯開いたブラインドから差し込む光は強烈だった ガラス越しの光と熱の心地よさに浸りつつ ブラックの缶コーヒーのホットを飲みながら 見るともなしにテーブルの上に現れたブラインドの影を見ていた 伸びやかな直線がブラインド本体から 白いテーブルの手前に至るまで幾すじも走り その隙間…
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幻影のピカレスク

終わりなき四苦八苦の人生に 夢見るものはピカレスク 次から次へと湧いて出てくる無知で未熟で元気な阿呆が 勢いだけでいっときワアワアやって、四方八方のかども取れ やがてもの言わぬ健全な奴隷が出来上がる 半世紀かけて 無知で未熟で元気な阿呆が 如何ともしがたい人生に わずかに抗い、生をつないで 晴れて、健全…
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足りない風景

ある周波数を捉えると そこには意外な空間が広がっていた (世界の果てまで行かなくても、おそらくそれに互する景観が、誰からも顧みられることもなく、どこかスピリチュアルに) 俺はつかの間の居場所を見つけ出した なぜ見つけ出せたかといえば マシな止まり木一つない浮世の無意味な喧騒から逃れ 普遍的な何かを求めてあてもなく…
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甘美な光の玉

その光は闇の底からマグマのように湧き上がって来た 見る見る膨張してわたしを呑み込み網膜のなかで炸裂した そこにはあらゆる時間と空間が交錯していた 光の玉はすぐに電車のヘッドライトと車窓の明かりとして姿をあらわすのだが はたしてそれがいつ何処のものであるのか、わたしには確信が持てなかった 昭和50年某月某日の広島…
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黄金の葦

思わぬ初冬の残照が すべてを黄金に染め上げた 無様に歳を重ねた男の 陶器のような眼球にも その男がこの瞬間 にたどり着くまでの 記憶の彼方に葬られた果てしなき日々にも 誰からも忘れられた湿地の葦とともに 眩い黄金の光が打ち込まれた すべては つかの間の夢だと言うのか そうであったとしても …
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カンテラの灯と熱い珈琲

遅れて来たいくつかの台風が 夏の残り香を北に追いやると 晴れ晴れとした涼やかな踊り場に出る 金木犀の香りが街を包み コスモスの花が青い空の水面に 風に任せてしなやかに揺れる ひたひたと闇が光を侵食し 大きな不在のときが迫る 取り残された寂しさと 残り得た安堵と・・ ひと時の涼やかな踊り場を…
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誰も知らない爽快

自己承認欲、自己顕示欲、自己表現欲・・ それが 心臓が鼓動し、呼吸をするということなんだろうか GPS機能のように人間社会における自分の位置を常に測定し あるいは発信して、安全と安心を確かめ おもねり、同調し、ときに威嚇して 自らの存在に必要なテリトリーを開墾地の田畠のように始終監視し あわよくば拡張し…
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一貫した不透明性に立ち向かう

逆説と矛盾ばかりがぎっしり詰まったその先に 信念と情熱をもって立ち向かい続けることができるのか 恐れず怯まず 高度で柔軟な心理を持った姿勢を確立して 一貫した不透明性に立ち向かうことができるのか 飛行艇を操縦できるから 飛行艇乗りになれるわけじゃねえ 翼には恩恵と同時に底無しの災難もまた 与えられているん…
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水位の高い川の爽快

いい街だよ 久々にこの街のイデアに逢えた 何のロマンも感じない出がらしの街 ノスタルジーすら感じない他人行儀なただの街 寄せては返す時の波が あるいは清々しいほどに すべてを相対化していく もう過去には戻れない 戻りたいとも思わない 長い月日を否定もしないが 肯定しようとも思わない …
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そこにいる、ポルコ・ロッソ

アドリア海を眼下に もう長いこと、この隠れ家に棲んでいる 半分死んでる亡霊が なお、この世の片隅に引っかかっている 飛べない豚はただの豚だ 飛行艇を失ってどれだけの月日が経ったのか 忘れちまった フィオやジーナの前から姿を消して それでも俺は成仏しなかった ただの豚として まさに、ただの豚…
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トレード

トレード 無機質な響き 非情な余韻 ディール 血と硝煙 無法と暴力 フェイク 他者の欲望とはすなわち 自分への悪意 ファクト 所詮人間の腹の中は グロテスクな臓物 トレードする 否応なき今を切り結び 今を生き延びる 人気ブログランキング
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てめえを嗤う

安部公房の「砂の女」の不気味さを思い出す あらゆる手段が崩れ落ちる砂に吸収され 無力化される 何をどうやってもアリ地獄のような 砂の穴から抜け出せない 上昇志向の亡霊が 体の中でのたうち サラサラと音を立てて滑り落ちる砂の斜面が 冷ややかな憎悪を孕み遠まきに包囲する 生物学的にも、社会的にも…
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まんざら悪い絵ではない

切り立った断崖の下のわずかに張り出した松の根元に かろうじてぶら下っていた この根っ子のように わずかなとっかかりが生きるうえにおいて どれほどに大きなものであるかを思い出していた この根っ子は俺に 不条理な苦しみを与えているのではなく 体を張ってこの世に繋ぎ止めている 苦しみから逃れるのは簡単だ …
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海に消えたサイコロ

だれもいない海 握りしめたサイコロ二つ ちからいっぱい沖合いに向かって投げ捨てた 変数xで人生の帳尻を合わし なんとか生きてきたが 同時に変数xは俺の人生を食い散らかし 数え切れない絶望をもたらした その絶望がまた変数xを必要とし 性悪女との縁は死ぬまで続くのだと思っていた とどのつまり自ら…
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賑やかな会話

久々に顔を出した青空 太陽は西の空の厚い雲になお隠されているとはいえ 辺りはなんだか夕暮れのように暗い 蝉は鳴いてる ツクツクボウシが精一杯鳴いている 近くにある米軍キャンプの家族がひと組 海水浴に来て夏の名残りを惜しんでいる 言葉にならないことば以前の、俺のこころを覆う何かに ツクツクボウシの大…
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五分後の俺の世界

熱と光と湿度の濃密なスープ 熱帯のジャングルへの歓喜もいつしか失せて 戦果なき行軍の連日にやがて方向も目的も見失い 朝も昼も夜も同じような鬱蒼とした視界の中を 倦怠と疲労を引きずりながらただ黙々と歩いていた このジャングルこそは徒手空拳の非力な反逆の徒にも 我が身を隠し乾坤一擲ゲリラ戦を挑みうる逆転の地ではなかったか …
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死屍累々の晩夏

焼けたアスファルトの上に仰向けにポトリと落ちているのは 力尽きたクマゼミだった 触ろうとすると大きく鳴いて飛び立ち驚かすのもいるが このクマゼミは、もうそんな力も残っていないようで 呼びかけに答えるようにわずかに足を動かした 灼熱の炎天下で君は燃え尽き ただひとり看取る者もないアスファルトの上で 孤独に果てようとし…
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嵐を呼ぶ朝焼け

資本主義の大津波がくる 良くも悪くも過酷な経済の競争原理が 政治を弄ぶ未熟国家を粛清する 国家の弱点が無様に露呈し 混乱と愚劣に衰運の兆しを認めるとき 獲物を探し求める国際資本からもはや逃れる術はない それこそは資本主義の必要悪であり 有能な者が生き残り愚かな者が淘汰される必然である 来い この…
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或る編集者の本を読んで

饒舌は脆弱であり、所詮沈黙には敵わない なぜなら語彙を尽くし記憶とロジックをを駆使して濃密な紙面を意識すればするほど、彼がすでに社会的成功を収め今や出版業界の異端児かレジェンドであるとしても、人の才能にたかり詐欺まがいに忍び寄り道化師の如く媚びへつらい焚き付けて、まだ無形のものとして才能ある人の内面に揺蕩うものから金になるエキ…
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希望の国のエクソダス

数千年の時を経て大陸の端っこに吹き溜まる下種 それらが繁殖して下衆の村が下衆の国家になっても 21世紀の情報テクノロジーによってより一元化された世界が訪れても 半島に群生する劣種の悍ましさと喧しさは哀れにも微塵も変わることはない 馬鹿は馬鹿、滓は滓 関わるだけ時間の無駄であることは 我が半生を顧みても噛みしめた絶望の…
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沢蟹くん

迷い込んだ沢蟹が研究室の廊下の隅を懸命に走っていた もうみんな帰ってしまって出口のない廊下を いったいどれだけの時間彷徨ったことだろう ぼくはあまりにも突飛な君の出現に驚き また瞬時にすべてを理解した 君の前にある完全な絶望を打開するのは ぼくしかいないのだ ぼくは逃げようとする君と対峙し どうしても…
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〈両国橋〉バス停

わたしを取り囲む景色のすべては そのずっと奥におられる尊いどなたかの わたしに投げかけられた暗喩である そして わたしを取り囲む景色のすべては わたしが作り出したわたしの投影である わたしは暗喩の意味するものを考え 投影されたわたしの何であるかを考える 投げかけられた謎に分け入り 分け入るわたしがま…
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これが俺のデスクだ

世界の中心で〈のどごし生〉を飲む 俺のデスクで「旨い」と叫ぶ 標高233mの頂きで 思い描いた人生の頂きとの違いを考える 人間の想像力など 街の背後に緩やかに控える小山にすら その豊かさの前にたちまちにして けし飛ぶ 海がひとつであるように 大地もまたひとつ 世界を旅して 百を見聞し一を知る奴もいれ…

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