テーマ:文学

アロハを着たハンター(送り返された旧世界)

終わりのない落下 着地のない 激突のない落下 激突を受け入れてもいいと思ったとき 微かに浄土を見た気もしたが ひょっとしてもう死んでいるのか 永遠の時間を漂うように こうして果てしなく落ちていくなどと なんだか恐ろしくなってきた 家路に着いても 家はもうないと言うのか 家路すら もはや無い…
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アロハを着たハンター(新世界・家路)

  遠き山に 日は落ちて         やみに燃えし かがり火は 星は空を ちりばめぬ          炎(ほのお)今は 鎮まりて 今日のわざを なし終えて       眠れ安く いこえよと 心軽く やすらえば            さそうごとく 消えゆけば 風は涼し この夕べ        …
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アロハを着たハンター(新世界)

へへっ  とうとうやっちまったぜ アミーゴよ マドモアゼルよ ! アディオスだ ! 飛行機から真っ逆様だ これこそ新世界だ お袋の腹から出るときとおんなじじゃないか いやその時以上にオッス!って感じだぜ 「おぎゃあ」と泣くよりも 「最高」と叫びたいね なんだよこの凄まじい歓迎は 五体が引き裂かれそうな…
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アロハを着たハンター(脱出)

貨幣経済の浸透とともに 商品の交換の媒介をする貨幣によって分業は際限なく促進され やがて経済の運動主体そのものとなった貨幣が それ自体の流通に価値を生じ媒介としての貨幣を遥かに凌駕する 自給自足的な自分自身で生きることが完結していた時代など 有史以前にまで遡らなければならないにしても 今じゃ国まで分業化してしまい 自…
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アロハを着たハンター(激突してたまるかよ!)

俺達の飛行艇にも切り立った絶壁が目前に迫る 厚い雨雲と黒い岩肌 上昇気流など何処にもない エンジンはガタピシお疲れだ 山の向こうは海なのか わからない 旋回するには遅すぎる 機体を軽くしろ 燃料を捨てろ シートも鉄骨も全部だ 何でもかんでもみな捨てろ 命あっての物種だ …
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アロハを着たハンター(激突しかない)

突然山脈の岩肌が現れる どんどん目の前に迫ってくる 旅客機ならすでに絶望だ 飛行艇ならあるもの全部外におん投げりゃあるいはどうにかなるかも知れない 蝶ならひらひら越えるだろうに 文明に飼いならされた豚どもはこの旅客機みたいなものさ 大きな図体をして一度エンジンが故障するか計器が狂うか燃料がなくなりでも…
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アロハを着たハンター(青春とは知性の内乱?)

汽車が発車した後の片田舎のプラットホームの暗がりに煙草の赤い火が静かに灯っていた  文章は覚えてないが石原慎太郎著「青春とは何だ」の冒頭のシーンだ 新任の英語教師が赴任してきたところの描写だ 初めてこの街に来た彼はすぐに改札を出るわけでもなく闇の中でしばらく煙草を吸っている 闇の中に小さく燃える赤い…
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アロハを着たハンター(闇の啓示)

光に閉ざされた闇 闇に開かれた光 太陽と昼 夜と銀河のことさ そして人間を取り巻く事象のすべては人の属性を暗喩している  善に閉ざされた悪 悪に開かれた善  美に閉ざされた醜 醜に開かれた美  富に閉ざされた貧 貧に開かれた富  強に閉ざされた弱 弱に開かれた強  信に閉ざされた嘘 嘘に開かれた…
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アロハを着たハンター(マッチ売りの少女のように)

照明をすべて落として 小さな蝋燭に火を灯す 少し開けた窓から 涼やかな神無月の冷気が差し込む 小皿を燭台にして蝋燭に火を入れる 机はたちまち祭壇となり 懐かしい聖火が立ち現れる 私は司祭となり静寂に鎮座する ただ揺らめく小さな炎 闇を燃やし闇に消える 銀河は見えない星も見えない…
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アロハを着たハンター(美しい弔い)

焚き火をしないか? 吹き溜まりの落ち葉燃やすのさ 折れて干からびた小枝燃やすのさ パチパチと音をたてながら 封じられていた記憶が赤々とした炎となって燃え上がる 役割を果たし終えた美しい屍の弔い 封印された瑞々しい記憶の放出 揺らめきほのぼのと語り始める褐色の火の穂 穏やかで神聖な時間 …
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アロハを着たハンター(「人間の土地」と「紅の豚」)

「真の贅沢というものは、ただ、一つしかない、それは人間関係の贅沢だ。物質上の財宝だけを追うて働くことは、われとわが牢獄を築くことになる。人はそこへ孤独の自分を閉じ込める結果になる、生きるに値する何ものをも購うことのできない灰の銭をいだいて。」 「ぼくが、自分の思い出の中に、長い嬉しいあと味を残していった人々をさがすとき、生甲斐を感…
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アロハを着たハンター(遥かなる友)

どうして風が好きなんだろう 風に吹かれると心地いい 僕の所在を教えてくれるから? 質量を教えてくれるから? さかなが海水の海にいるのなら  僕らは大気の海にいるんだろ 昆布やわかめのように揺らめいて 奥山のせせらぎのように僕を呑み込み洗い続ける 幾万年 風化浸食され続ける天上に連なる山々 動くこと叶わぬ…
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アロハを着たハンター(レイモンド・チャンドラー牧場)

数日前にレイモンド・チャンドラーの「長いお別れ」を読んだ。 北方謙三を通じてのハードボイルドとの出会いは 閉塞・膠着・どん詰まりの涸れ井戸の底の住人にとって終の棲家を見つけたような光明であり癒しであり 井戸の底の暗闇から這い出る示唆に富むものだった。 観念の牢獄でくすぶる阿呆の目を覚まされてくれたと言おうか。 太宰治や三島…
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アロハを着たハンター(海の相克 陸の相克)

石原慎太郎の「オンリー・イエスタディ」を読み終えたが その中に 「人間の社会とは、一言にしていえば、他者との関わりということだ。そして他者との関わりとは、そのほとんどは相克であり、ある場合には端的に戦いでもある。そしてその中からこそ真の友情や連帯も生まれてくるのだ。」とある。 生きるとは関係性であり関係性とは相克であり相克とは戦い…
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アロハを着たハンター(原点を見た)

ハードボイルドの元祖 ヘミングウェイの「日はまた昇る」を読み終えた。 この作品は1925年 25歳のヘミングウェイが5人の友達に声をかけ 妻と7人でスペインのパンプローラ フィエスタを見物に行った時のことが かなり実話に近いかたちでベースになっているそうだ。 解説に小説の登場人物と ほとんどダブらせることのできる6人(ひとりはカ…
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アロハを着た異端(フロンティアかゴミタメか)

ハードボイルド小説の主人公はみな こころの内に広がる如何ともしがたい傷というか 闇を抱え ニヒリズムの中で群集に身を隠しているが あるときそれは吹き上がる間欠泉のように 荒ぶる血と肉体とともに 自らの闇を打ち破り 地表に傲然と現れる。  アメリカの文学には ヨーロッパのような成熟 円熟しているがゆえの深い出口のな…
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