テーマ:年代記

風立ちぬ

すべての場面に風が立っている。 一コマ一コマが叙情文学の一行一行のように訴えかけてくる 映画自体が、病に引き裂かれるとわかって二郎に「美しいとこだけ」見せようとした菜穂子のようでもある 宮崎駿 監督 「風たちぬ」鑑賞 関東大震災・世界恐慌・第二次世界大戦という大正から昭和にかけての動乱も純…
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アロハを着たハンター(まぼろしの浄土)

狂気は去った しかしまだ理性がやって来たわけではない ミラーボールが回るように太陽が回り 耳をつんざくような拡声器の唸り声と共に嵐が過ぎ去った 焼け爛れた溶鉱炉の鉄のようなヤマタノオロチは地底に姿を消し まるで野兎か小リスのように息をひそめ耳を澄ました 夕暮れが早くなり、鈴虫やコウロギが雅(みやび)な初秋の…
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アロハを着たハンター(黄昏なのか黎明なのか)

猛暑日と熱帯夜の連続の狂った夏の終わりは台風と熱帯低気圧の邪気に満ちた叩きつける雨と風、 終わりなき殿(しんがり)の行軍だった。 ファシズムが吹き荒れ、粛清に息をひそめる街角、響き渡る軍靴の音 猛暑と熱帯夜と邪気を含んだ叩きつける雨が通り過ぎると 森閑とした街角に薄い靄(もや)が立ち込めた 入寂前の静溢か、黎明…
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アロハを着たハンター(メルヘン&ユートピア)

草野心平 著 「宮沢賢治覚書」 高村薫 著 「黄金を抱いて翔べ」読了 法華経と農化学と茫漠たる岩手の自然が宮沢賢治の想像力の肥料だという そして農業と芸術が一体となったユートピアを夢見た 念仏のようにメルヘンをひねり出し、加持祈祷の火に投げ入れる護摩のように言葉を放出した 宣教師の如く生き、殉教者の如く死んだ…
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アロハを着たハンター(渡り鳥のように、回遊魚のように)

必要と欲求によって所有物は増えていく それは自分の機能の拡大であり、効率化であり、充足であり、癒しであり、自己顕示であり、小さな自己実現の過程と結果と言えるかもしれない さらにそれは自然淘汰のサバイバルな闘争の中にあって、喫緊の攻撃の準備と全方位的な防御と自己再生の秘薬を包含しているはずだ そうして所有物は拡大した己自身の一部…
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アロハを着たハンター(癒しと再生のゆらぎ)

プラスドライバーの先を十字の溝に差し込み 時計回りの反対方向にねじる 意外なほど簡単にネジはゆるんだ ひとつ、またひとつ・・ 朽ちた板の中で半分褐色に錆びついたネジがスルスルと出てくる 30年間寡黙に本を支え、本箱という形を忠実に結び続けた鉄片 色褪せた塗料の9枚の合板と16本のクギに解体され、わずかな空間が…
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アロハを着たハンター(五千年前と同じうねり)

メルヴィル 著 「白鯨 (上)(下)」読了 「わたしがこの巨鯨族を手玉に取ろうと企てた以上は、この企てを遂行するに博覧傍証いたらざるなく、その血液の最微の胚子をも看過せず、その腹腔の最大の巻束までも解き延ばし、いっさいを網羅曲尽して余薀なからしめる決意をみずからに許すことが肝要である。」 p 137 そ…
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アロハを着たハンター(大した意味のない風景もある)

夏は来ちまった(西日本は7月8日にゃ梅雨明けしてる) 選挙は終わっちまった 閉塞のトンネルを抜けるとそこは気怠い多湿な亜熱帯の混沌だった 降り注ぐ紫外線 立ち昇る水蒸気 それで、これから何処に行きゃいいんだ? 灼熱の太陽と全てを焼き尽くす日差しをあれほど求めていたのに そそくさと日影を探し 吹き出した汗を拭う…
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アロハを着たハンター(名も無きただの旅人)

旅とは 通り過ぎる地域と人と歴史を惜しげも無く捨てることだ そして、踏み出す自分の靴音を聞き続けること 変転・流浪とは それまでの自分を含む小世界に見切りをつけ丸ごと捨て去ること そして、新しい世界の予兆に新たな自分の再生を見ることだ 一点に集中するということは一点以外を忘れるということであり あなたを見るとい…
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アロハを着たハンター(梅雨開けの渓流)

生きる力とは生きる推進力 推進力とは物を前におし進める力であり 後ろに捨て去る力だ その渦中に感じる疾走感 精神の疾走感こそ幸福の真髄と頓悟して久しい 身体の代謝と同じく精神の代謝 激しく速く雪解けの奔放な渓流のように 流れていることが力のすべて 代謝とは捨てること 止めどなく流れ続けること …
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アロハを着たハンター(物語に倦むときもある)

司馬遼太郎 著「アメリカ素描」 佐藤 優 著「母なる海から日本を読み解く」 読了 どこを向いても物語・物語・・・・ 神話・伝説・伝承・記録・歴史・・ 父が母が祖母が曽祖父が遠い先祖が民族が国が・・・ 嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼・・・・ 昔むかし そのむかし   佐藤優の母の故郷久米島の物語りに付き合わされて終い…
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アロハを着たハンター(帆を高く張れ)

東証上場企業数 2300社 激しく変遷する株価 点滅する気配ボード 連邦国家を構成する小国の喘ぎ 頭脳を持つ独立した生命体の浮沈 2300のエンジン 2300の国力 光合成なす2300の大葉 停滞する梅雨前線 ダウの高波 上海総合指数の横波 為替の三角波 債権・原油・金・商品先物・金利・・・ ホタル…
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アロハを着たハンター(沖合の憂鬱)

村上龍 著「超電導ナイトクラブ」 北方謙三 著 「望郷の道 (上)(下)」 佐藤優 著「 インテリジェンス人間論」読了 粘りつく熱線 溺れそうな湿度 小船の船底に溜まる沈黙と溜息 舳先が切る冥界の白波 漂う取り残された時空 無意味に思える波の揺れ 虚ろに巡る朝と夜 潮流頼みの頼りなさ…
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アロハを着たハンター(遠い太鼓)

今日も太鼓が鳴っている 遠い太鼓 癒しの音色 山のふもとの社(やしろ)の中か ドーン・ドーン・ドンドンドン 小さな祭り 小さな華やぎ 小さな神事 小さな祝福 アベノミクスに日本も揺れる 日経平均大波かぶる 円も踊る乱高下 ドーン・ドーン・ドンドンドン 心拍・脳波・呼吸・代謝 カンカラ骨…
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アロハを着たハンター(テールランプという憂鬱)

村上龍 著「ストレンジ・デイズ」読了 「-----反町は、恐ろしくシンプルな二つのことを理解した。ひとつは、演技というのはエネルギーの在り様で、エネルギーのない演技は単に醜悪だということ、もうひとつは、今も、これまでも、自分が何一つリスクを負っていないということ、だった。-----」 p266 「島が欲しい、…
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アロハを着たハンター(青春の正体)

遠い遠いいつか 石原慎太郎の「青春とは何だ」を読んだ 燃えるような夕焼け 薄墨のなかに暮れなずむ何の変哲もない故郷の後ろ姿 まだ何も始まっていない黎明への郷愁 未知への哀惜 未熟という愛おしさ 恐れと不安 寂しさと切なさ 何も知らぬがゆえの無謀 何も知らぬがゆえの勇気 いや、 どこかで何もかも知ってい…
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アロハを着たハンター(ロックオン)

アベノミクスという黒潮 膨れ上がるエメラルドグリーンのうねり 奔流の彼方に シェールガスに沸き立つアメリカ 岩礁を離れ黒潮に再び浮かび上がる不沈空母 甲板から崩れ落ちる百年の憂い 極東の満身創痍の老戦士と地に墜ちたかつての新大陸・世界の盟主のもと 疑心と冷ややかな諦めの内に立ち現れた不穏な情熱の兆し 資本主義終…
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アロハを着たハンター(十字架の上で)

射抜かれた肉体 串刺しにされた鈍痛 滅多刺しの処刑台 死という尊厳のある結末の用意も 怖れや悲しみの吹き溜まるすき間もない 健気な美しい思い出も 淡い誇りの幻想も 一瞬のうちに感光したネガフィルムのように焼き尽くす 欺瞞も虚栄も偽善も屈辱も 傲慢も増長も厭世も倦怠も 野焼きの後のように消え失せた も…
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アロハを着たハンター(青葉と同じように)

安部公房著 「箱男」 読了 乞食に風邪をひかせる雨の色……地下街のシャッターが下りる時間の色……質流れになった卒業記念の時計の色……台所のステンレスの流し台の上で砕けている嫉妬の色……失業して迎える最初の朝の色……役に立たなくなった身分証明書のインクの色……自殺志願者が買う最後の映画の切符の色……その他、匿名、冬眠、安楽死、そうし…
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アロハを着たハンター(我が友 ナルチスよゴルトムントよ)

ヘルマン・ヘッセ著 「荒野のおおかみ」 「知と愛」 読了 人間の両極性の追求 精神と血 最も深い対立と融和 精神に触れ、精神に背き、精神にもどる官能の子の長い迷いの旅路 ハリー・ハラーの中で荒れ狂った暴風雨の如き分裂は、ヘッセ50歳から2年の時を経て ナルチスという精神の人とゴルトムントという愛と芸術の人となって 美…
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アロハを着たハンター(コバルトブルーの青空の下)

長い長い時間が過ぎたはずなのに 遠い70年代に嗅いだ香りを思い出すのだ 何にもなかった10代のコバルトブルーの青い空 無限の時間と淡い倦怠 未知という神聖で透明な大気 ああそうだ 未知という汚れなき明日に戸惑いと情熱の行く先を見ていた 何もかもが誇り高く そして聖なる一歩だった 突き抜けるような青…
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アロハを着たハンター(訣別の水杯)

春を告げる桜花 はらはら散りゆく曙の夢 名残り惜しむ夢の続き うたかたの夢覚ます生命の息吹 形現わす新緑の若葉 桜花が儚き夢の幼虫なら 燃え立つ若葉は孵化した夢の成虫だろう 咲いた花なら散るのは覚悟 いつまでも美しき幼虫じゃいられない 見事散りましょ成虫になるため 同期の桜が哀れなのは …
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アロハを着たハンター(大航海時代)

崩れ落ちた閉塞の岩盤 大きく陥没した穴 静まり返る深淵 底から吹き上がる微かな異風 宿命とやらの岩盤が一朝にして消え失せ 現れた茫漠たる永遠の荒々しさ 神を呪い宿命に苦悶した男が今は神妙な面持ちで 閉塞と散々悪態をついてきた岩盤の意味を問う 閉塞という繭(まゆ) 宿命という縁起 寂寥の荒野に持たされ…
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アロハを着たハンター(太陽の刻印)

絶望と諦念に冷え切った躯(むくろ) 懐(ふところ)に埋め込むように抱えた銃把(じゅうわ) 包み続けた木綿のアロハ くすみ沈み続けた黄色いアロハ チャドのように覆い隠した苦悶と慟哭 待ち続け忘れ続けた一億光年の時 ・・・・・・・・ 葬られた魂 干からび硬直したミイラ 沈殿した時 凝固した沈黙…
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アロハを着たハンター(深海の覚醒)

数万メートルの深海の底 凄まじい水圧で泥濘に打ち込まれた肢体 漆黒の闇の彼方から深々と降りてくる 限りない記憶のマリンスノー 深い深い眠りの残滓 捜す早春の日差し 蛍光塗料に光る午前1時を指す時計 わずか3時間の遥かなる追憶 一万年前 俺が抱えた絶望とは何だったか 俺が育む希望とは何だったのか …
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アロハを着たハンター(黒いアロハシャツ ・ 我が父に捧ぐ)

遠くなりつつある島影 残してきた腸(はらわた)  時に宿業と呼び 時に宿命と唸った 硫黄臭に煙る絶海の孤島 断崖に舞うかもめに夢をかさね 沖合いを渡るイルカの群れに異国を夢見た 長い長い年月 何時終わるとも知れない長い長い年月だったさ 自嘲的なニヒリズム 思想なきダダイズム 絵にもならないダンディズム …
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アロハを着たハンター(聖なる溶鉱炉)

業に狂い悶え 業に苦しむ 業と共に燃え 業によって燃やされている 虚栄も幸福も笑いすらもまた 業火に焼け爛れ灰に変わらんとする阿鼻叫喚の苦形のひとつ 溶鉱炉の火のように 命がこの世に産み落とされたその日から 命が尽きるその日まで 業によって業を燃やし煙を上げ熱を発し光を放ち音をたてる あらゆる不純物が流れ出る…
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アロハを着たハンター(果て無き荒野)

売ったのか? 否(いや) 貧欲で下衆な盗賊の集団にかなりやられたようだな 荒野を担いできた希望の荷 ようやく見えてきたかに思えたオアシスの幻影 一途にオアシスを目指してやってくる旅人 待ち受ける容赦なき略奪 希望の荷を降ろすのか? 否(いや) ライオンや豹が腹を満たしていることだけをただ祈り…
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アロハを着たハンター(名も知らぬ海 行方も知らぬ船)

可視光線の外に広がるスペクトル 聴覚の外を流れる周波数 緑内障のように 潜望鏡の先に映る儚き現(うつつ) 深海に潜む提灯アンコウのように 五感が照らし出すほの暗いわずかな主観的仮想世界 為すすべもなく因果に踊る 目隠しされた奴隷か囚人のように 宇宙を埋め尽くすブラックマターとブラックエネルギー 伏せられた縁起…
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アロハを着たハンター(秘められた情熱)

停滞と破壊の後の 永い静寂の果てに聞こえてくるのは 軟(やわ)なメロディなんかじゃない 茫漠たる赤土の荒野 踏みしめ蹴り捨てる「ザクッ」という音 靴の底で乾いた小石や土が 偶発的・無原則にぶつかり合い粉砕される 無機質だが 不穏なる闘争の小さな予感に 大地も空も風も 息を呑んで聞き耳を立てる ザク…
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