ペテルギウスと紅梅

オリオン座の一角にある全天21の一等星の一つペテルギウスが2019年から急速に明るさを落としており、642光年先にある太陽の20倍の質量を持つ巨大な恒星の終末、超新星爆発の予兆ではないかと言われている 冬の夜空に気高く輝くオリオン座は、確かに記憶の中のそれとは違って精彩を欠いていた。中央の三つ星を囲む四方の一角、左上の星(ペテルギ…
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美しい時間

村上龍「半島を出よ」(上)(下)読了 下巻後半の70ページ余りの〈美しい時間〉の章を味わいたい為に、たぶん十年ぶりに再読した 俺も久しぶりに、イシハラやシノハラやタテノやサトウといっしょに 酒を飲むわけでも煙草を吸うわけでもなく 音楽を聞くわけでもテレビや雑誌を見るわけでもなく ただウーロン茶やポカリスエットを飲みながら …
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錨を上げよ 3

「錨を上げよ」・・・ まだどこかで何かが、引っかかっている 自分で言うにはなんとも調子に乗った文句だ 吉本新喜劇の「池乃めだか」が、ヤクザにボコボコにされた挙句相手が去ったのを見届けて、「今日はこれぐらいにしといたる」と啖呵を切って爆笑をかう滑稽さに似ている 今までいい加減にやってきたが、そろそろ本気出すかのような、まだ奥底…
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錨を上げよ 2

四季の繰り返しに見る輪廻の渦から錨を上げよ やれ梅が咲いたの白モクレンが咲いたのと 暑いだ寒いだ快晴だ曇天だなどと 日常に倦み、やり場のない憂いの捌け口を探すかのように 季節の移ろいに絡む繰り言などもうまっぴらだ 朝が来て夜が来て、また朝が来る 1日から1日、1週間から1週間、1か月から1か月、1年からまた1年 6…
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錨を上げよ

作田又三は同志社大を中途退学することを決意し、あてもなく東京へ出てくる。雀荘の雑用係やホストや右翼団体の運送会社を漂流し、またもや宿なし暮らしに舞い戻る。次に足立区千住のパチンコ屋の住み込み店員になった又三は、勤めだして二週間ほどしたある昼下がり、東大出のうわさのある社長で在日の新井とひょんなことから近くの食堂で一緒に飯を喰うことになる…
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スコッチ⭐︎オンザロック

今年の収穫 大沢在昌 「北の狩人」「砂の狩人」「雨の狩人」「黒の狩人」全8巻            「新宿鮫」シリーズ全10巻       北方謙三 「草莽枯れ行く」「水色の犬」「白日」       司馬遼太郎「木曜島の夜会」「ペルシャの幻術師」       谷沢永一 「司馬遼太郎のエッセンス」       船戸与一 「非合法…
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クリスマス・iOS13.3 アップデート

深夜ふと思い出し、2時間ほどでダウンロードを済ます 面倒に感じるだけの、わけもない操作を終わらせ目を閉じる OS機能の最速化・最適化・・ フル活用には程遠いものの 俺の補助機能が深夜のしじま、僅かにパワーアップ・・ で、俺はどうなのだ? IT市場を席巻するアメリカ多国籍企業GAFAのひとつAppleの 思いがけない…
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クリスマス・キャロル

12月12日 イギリス総選挙、与党・保守党 圧勝 祝、ジョンソン首相 2016年6月23日 、キャメロン首相の愚かしいポピュリズムによる国民投票の結果、彼の意に反して離脱が決まった時、それでもEUという鰯の群れのような魅力を失ったヨーロッパに風穴を開けようとするイギリス国民の危機感と気概に、ある種歴史的な高揚感すら感じたりも…
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直線とは何だ

直線なんて大方つまらない 日常の中でそこらじゅうに散らばる直線の切れ端は 陳腐な人間の活動の虚しい残骸だ 直線こそは文明の象徴であり 存在を主張するささやかな砦であり 未来の墓標なのだが それでも 人はみな直線に引き寄せられるように 巨大都市の高層ビル群や縦横に交差するハイウェイに憧れ でなけれ…
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その造形に夢の形を見た

真昼でも10度を切る師走だというのに 目一杯開いたブラインドから差し込む光は強烈だった ガラス越しの光と熱の心地よさに浸りつつ ブラックの缶コーヒーのホットを飲みながら 見るともなしにテーブルの上に現れたブラインドの影を見ていた 伸びやかな直線がブラインド本体から 白いテーブルの手前に至るまで幾すじも走り その隙間…
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幻影のピカレスク

終わりなき四苦八苦の人生に 夢見るものはピカレスク 次から次へと湧いて出てくる無知で未熟で元気な阿呆が 勢いだけでいっときワアワアやって、四方八方のかども取れ やがてもの言わぬ健全な奴隷が出来上がる 半世紀かけて 無知で未熟で元気な阿呆が 如何ともしがたい人生に わずかに抗い、生をつないで 晴れて、健全…
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足りない風景

ある周波数を捉えると そこには意外な空間が広がっていた (世界の果てまで行かなくても、おそらくそれに互する景観が、誰からも顧みられることもなく、どこかスピリチュアルに) 俺はつかの間の居場所を見つけ出した なぜ見つけ出せたかといえば マシな止まり木一つない浮世の無意味な喧騒から逃れ 普遍的な何かを求めてあてもなく…
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甘美な光の玉

その光は闇の底からマグマのように湧き上がって来た 見る見る膨張してわたしを呑み込み網膜のなかで炸裂した そこにはあらゆる時間と空間が交錯していた 光の玉はすぐに電車のヘッドライトと車窓の明かりとして姿をあらわすのだが はたしてそれがいつ何処のものであるのか、わたしには確信が持てなかった 昭和50年某月某日の広島…
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黄金の葦

思わぬ初冬の残照が すべてを黄金に染め上げた 無様に歳を重ねた男の 陶器のような眼球にも その男がこの瞬間 にたどり着くまでの 記憶の彼方に葬られた果てしなき日々にも 誰からも忘れられた湿地の葦とともに 眩い黄金の光が打ち込まれた すべては つかの間の夢だと言うのか そうであったとしても …
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カンテラの灯と熱い珈琲

遅れて来たいくつかの台風が 夏の残り香を北に追いやると 晴れ晴れとした涼やかな踊り場に出る 金木犀の香りが街を包み コスモスの花が青い空の水面に 風に任せてしなやかに揺れる ひたひたと闇が光を侵食し 大きな不在のときが迫る 取り残された寂しさと 残り得た安堵と・・ ひと時の涼やかな踊り場を…
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誰も知らない爽快

自己承認欲、自己顕示欲、自己表現欲・・ それが 心臓が鼓動し、呼吸をするということなんだろうか GPS機能のように人間社会における自分の位置を常に測定し あるいは発信して、安全と安心を確かめ おもねり、同調し、ときに威嚇して 自らの存在に必要なテリトリーを開墾地の田畠のように始終監視し あわよくば拡張し…
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一貫した不透明性に立ち向かう

逆説と矛盾ばかりがぎっしり詰まったその先に 信念と情熱をもって立ち向かい続けることができるのか 恐れず怯まず 高度で柔軟な心理を持った姿勢を確立して 一貫した不透明性に立ち向かうことができるのか 飛行艇を操縦できるから 飛行艇乗りになれるわけじゃねえ 翼には恩恵と同時に底無しの災難もまた 与えられているん…
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水位の高い川の爽快

いい街だよ 久々にこの街のイデアに逢えた 何のロマンも感じない出がらしの街 ノスタルジーすら感じない他人行儀なただの街 寄せては返す時の波が あるいは清々しいほどに すべてを相対化していく もう過去には戻れない 戻りたいとも思わない 長い月日を否定もしないが 肯定しようとも思わない …
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そこにいる、ポルコ・ロッソ

アドリア海を眼下に もう長いこと、この隠れ家に棲んでいる 半分死んでる亡霊が なお、この世の片隅に引っかかっている 飛べない豚はただの豚だ 飛行艇を失ってどれだけの月日が経ったのか 忘れちまった フィオやジーナの前から姿を消して それでも俺は成仏しなかった ただの豚として まさに、ただの豚…
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トレード

トレード 無機質な響き 非情な余韻 ディール 血と硝煙 無法と暴力 フェイク 他者の欲望とはすなわち 自分への悪意 ファクト 所詮人間の腹の中は グロテスクな臓物 トレードする 否応なき今を切り結び 今を生き延びる 人気ブログランキング
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てめえを嗤う

安部公房の「砂の女」の不気味さを思い出す あらゆる手段が崩れ落ちる砂に吸収され 無力化される 何をどうやってもアリ地獄のような 砂の穴から抜け出せない 上昇志向の亡霊が 体の中でのたうち サラサラと音を立てて滑り落ちる砂の斜面が 冷ややかな憎悪を孕み遠まきに包囲する 生物学的にも、社会的にも…
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まんざら悪い絵ではない

切り立った断崖の下のわずかに張り出した松の根元に かろうじてぶら下っていた この根っ子のように わずかなとっかかりが生きるうえにおいて どれほどに大きなものであるかを思い出していた この根っ子は俺に 不条理な苦しみを与えているのではなく 体を張ってこの世に繋ぎ止めている 苦しみから逃れるのは簡単だ …
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海に消えたサイコロ

だれもいない海 握りしめたサイコロ二つ ちからいっぱい沖合いに向かって投げ捨てた 変数xで人生の帳尻を合わし なんとか生きてきたが 同時に変数xは俺の人生を食い散らかし 数え切れない絶望をもたらした その絶望がまた変数xを必要とし 性悪女との縁は死ぬまで続くのだと思っていた とどのつまり自ら…
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賑やかな会話

久々に顔を出した青空 太陽は西の空の厚い雲になお隠されているとはいえ 辺りはなんだか夕暮れのように暗い 蝉は鳴いてる ツクツクボウシが精一杯鳴いている 近くにある米軍キャンプの家族がひと組 海水浴に来て夏の名残りを惜しんでいる 言葉にならないことば以前の、俺のこころを覆う何かに ツクツクボウシの大…
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五分後の俺の世界

熱と光と湿度の濃密なスープ 熱帯のジャングルへの歓喜もいつしか失せて 戦果なき行軍の連日にやがて方向も目的も見失い 朝も昼も夜も同じような鬱蒼とした視界の中を 倦怠と疲労を引きずりながらただ黙々と歩いていた このジャングルこそは徒手空拳の非力な反逆の徒にも 我が身を隠し乾坤一擲ゲリラ戦を挑みうる逆転の地ではなかったか …
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死屍累々の晩夏

焼けたアスファルトの上に仰向けにポトリと落ちているのは 力尽きたクマゼミだった 触ろうとすると大きく鳴いて飛び立ち驚かすのもいるが このクマゼミは、もうそんな力も残っていないようで 呼びかけに答えるようにわずかに足を動かした 灼熱の炎天下で君は燃え尽き ただひとり看取る者もないアスファルトの上で 孤独に果てようとし…
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嵐を呼ぶ朝焼け

資本主義の大津波がくる 良くも悪くも過酷な経済の競争原理が 政治を弄ぶ未熟国家を粛清する 国家の弱点が無様に露呈し 混乱と愚劣に衰運の兆しを認めるとき 獲物を探し求める国際資本からもはや逃れる術はない それこそは資本主義の必要悪であり 有能な者が生き残り愚かな者が淘汰される必然である 来い この…
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或る編集者の本を読んで

饒舌は脆弱であり、所詮沈黙には敵わない なぜなら語彙を尽くし記憶とロジックをを駆使して濃密な紙面を意識すればするほど、彼がすでに社会的成功を収め今や出版業界の異端児かレジェンドであるとしても、人の才能にたかり詐欺まがいに忍び寄り道化師の如く媚びへつらい焚き付けて、まだ無形のものとして才能ある人の内面に揺蕩うものから金になるエキ…
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希望の国のエクソダス

数千年の時を経て大陸の端っこに吹き溜まる下種 それらが繁殖して下衆の村が下衆の国家になっても 21世紀の情報テクノロジーによってより一元化された世界が訪れても 半島に群生する劣種の悍ましさと喧しさは哀れにも微塵も変わることはない 馬鹿は馬鹿、滓は滓 関わるだけ時間の無駄であることは 我が半生を顧みても噛みしめた絶望の…
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沢蟹くん

迷い込んだ沢蟹が研究室の廊下の隅を懸命に走っていた もうみんな帰ってしまって出口のない廊下を いったいどれだけの時間彷徨ったことだろう ぼくはあまりにも突飛な君の出現に驚き また瞬時にすべてを理解した 君の前にある完全な絶望を打開するのは ぼくしかいないのだ ぼくは逃げようとする君と対峙し どうしても…
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〈両国橋〉バス停

わたしを取り囲む景色のすべては そのずっと奥におられる尊いどなたかの わたしに投げかけられた暗喩である そして わたしを取り囲む景色のすべては わたしが作り出したわたしの投影である わたしは暗喩の意味するものを考え 投影されたわたしの何であるかを考える 投げかけられた謎に分け入り 分け入るわたしがま…
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これが俺のデスクだ

世界の中心で〈のどごし生〉を飲む 俺のデスクで「旨い」と叫ぶ 標高233mの頂きで 思い描いた人生の頂きとの違いを考える 人間の想像力など 街の背後に緩やかに控える小山にすら その豊かさの前にたちまちにして けし飛ぶ 海がひとつであるように 大地もまたひとつ 世界を旅して 百を見聞し一を知る奴もいれ…

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周防 Earth,Wind & Fire

20ポンドの肉を削ぎ落とす 周防大地のヤスリにかける 肉に染み込んだ屈辱や怒りや倦怠が 灼熱の太陽に焼かれ、ロウのように溶け出す 血と汗でどろどろになりながら 周防大地に我が身を削る 本当に必要なものはこの肉体だけなのだ 一個の肉体から拡散した人生は やがて、いや、常に、一個の肉体に収斂される …

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魅せられて

照りつける太陽の下 その青紫色のあまりの艶やかさに 思わず近いてみると 大きなアサガオの花弁の中に 魅惑的なもう一つの光源を見つけた どれだけ見ても 内側から光っているとしか思えない パラレルにいろんな世界があってもいいし あるような気もする 現に、ここに 明日には閉じてしまうもう一つの世界への入口が…

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最強の肥料

肥料が人を創り人生を決定する 人間も草木も適切で潤沢な栄養こそがすべてを決定する 体に必要なタンパク質や脂肪や炭水化物 etc.に加えて 心や精神の成長、深化、更に人生の発展、成功となると その必要な要因や関係性は無限大であり不可知と言わざる得ない それでも、 自ら意思的に選択し得る範囲の 自らが選択した構成要素が…

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男は黙ってサッポロビール

古来より、男というものは常に孤独の中に生きるものであったと思う 孤独に養われ、孤独に向き合う者こそが男なのだ 華やかな、あるいは賑やかな人間関係など例えば季節外れのクリスマスツリーのような 人生の核心と何の関係もない無意味な虚飾にすぎない 男の真の人生はいつの時代も、どんな人生であっても 沈黙と孤高の中にしかない …

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宝島

爽やかな初夏の朝 スティビーワンダーの曲の流れるがらんとした茶店で 窓の外の妙に垢抜けて見える街を見ながらアイスコーヒーを飲む この時期にしか感じられないツツジの花のような つかの間の幸福感 高く突き抜けた青空と 網膜の奥の奥の小部屋にまで差し込む力強い光 窓という窓が開け放たれ 懐かしい南国の夢の匂いを乗せた風…

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人はパンのみに生きる

イエスも余計なことを言ったもんだ 人はパンのみに生きるにあらず、などと 無用な挑発をして煩悩を目覚めさせ 苦しみを増幅させただけではないのか 愛とか善とか美とか真理とか あるいは神とか 希望も夢も幸福も喜びも 観念的な言葉を持て遊びこれに囚われ 表象の浅いところでわあわあやって 何ひとつ核心に迫れないま…

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三味線とハードボイルド

三味線のバチさばきに セザンヌの絵筆のタッチを見る 旋律を奏でず 描線を引かず この世に蒸留したような甘っちょろい旋律があるわけもなく これが真実の形ですと疑いもなく引ける描線もない それこそがヘミングウェイが足繁くルーブル美術館に通い セザンヌの絵から学び得たハードボイルドの極意だ 人の心理を事細かく書…

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具象か抽象か

人は具体的なイメージを夢や希望として持つ時 それがより現実となりうるとは物の本でよく読んだし これまで生きてきて実感もしているところだ よく考えてみるとそれは至極当然のことだ なぜなら、夢や希望とは具体的なものだから 人はみな、こころの小部屋にひとつの具象画を立て掛けている それが何で、どれだけ鮮明であるかが違うだけ…

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イデアとメタファーを考える時

雨には打たれろ 傘は必要ない 傘を捨てた時 雨は頼もしい友となる 守るという行為は退屈だ 守るという行為は 最も創造性に乏しい つまらない行為だ 攻めるという行為も 守るという行為よりはマシだが 似たようなもんだ 卑小で貧相で くだらない そんなもん 全部時間の無駄だ 雨には打た…

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令和という調べ

高貴な鈴の音を聞いたような気がした しばらくは何故そう思ったのか分からなかった 分からないまま、 「令和」という新しい年号に 心のまだ分け入ったことのない奥の闇から 「リンッ」 という密かではあっても、どこかで、ずっと 待ち続けていたその音を聞いた気がした そのわけの一つが今、 ふっと、降りてきた 「令…

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平成というフラッグ

平成の初日、 31年前の俺は、前の日、流川で夜遅くまでしこたま飲んで、 そのまま歓楽街の中にあるカプセルホテルに泊まっていた 狭いカプセルの中で目が覚めると、ほぼ反射的に アルコールによって多少混濁した不愉快な感じを押してテレビをつけた そこにはあの図柄 小渕官房長官が平成の色紙を示し 新しい年号を告げていた …

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春はあけぼの

ようよう白くなりゆく、山ぎは少しあかりて、 むらさきだちたる雲の細くたなびきたる 夏は夜、秋は夕暮れ、冬は早朝・・ That’s right 春はあけぼの、秋は夕暮れ 長い夜が明けていき 長い昼が暮れて行く 今日の日の出時刻 06:08:47 AM 今日の日長 12h 15m 3…

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行け!貴景勝

鶴竜に勝ったが、 だからどうということもない 関脇だというが いつか見たようなデジャヴな景色 時間の無駄なのだ 苦痛なんだよ この息苦しさから逃れるために 水底から水面に浮き上がらんともがくように 上を目指す 大関取りと囃すまわりが まとわりつく藻のように鬱陶しい 相撲という国技に惚れて こと…

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AM 4:00 12℃

じっとしてろよ それができなかった 春が来たら来たで つかの間浮かれたあとには エネルギーの奔流に埋没し 又、別の苦しみにのたうつのだが 寂光の下も、数ヶ月を過ぎると もう一分一秒がいらついてくる 停滞した時、くすぶった色彩 曇天の下にこじんまりと収まる小世界 慣れたとは言え、身の縮まる冷温、北風…

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鈴原冬二・名言解釈

「オレは、感覚も意識も麻痺しているけど倒れることはないんだ、意志に支配されているからだと思うんだけどね、その時、獲物に追いついてやるぞっていう意志が、オレより大きくなっているわけさ、オレはもう完全にオレの意志に同化しているんだよ・・」 何かに同化するという意志、または、何ものにも同化しないという意志のどちらかがなければプライドは安…

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鈴原冬二 ・名言録

ホモ・サピエンスの原点である直立二足歩行の意味 適者生存という非情で美しい摂理故に求められる真の自立の意味を問うとき もう一度、村上龍の「愛と幻想のファシズム」を読んでみようと思った ハンターでありカリスマ・サバイバリストである主人公の鈴原冬二なら 混迷する世界とどう向き合うのか 久しぶりに読んでみて、冬二の実家や家族…

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崇高なる直立二足歩行

数百万年前、直立二足歩行を始めたホモ・サピエンスの祖先 直立して大地を歩くことがとてつもない意味を持った 海の中にいた時も 沼と陸地の間にいた時も 空を飛んでいた時も 密林の木の上にいた時も 自我に目覚め自らの時を刻むことはなかったのだ いつしか遠い昔の原点を忘れ あらゆる物質と情報とテクノロジーに武装された都市…

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質実の力

質実とは、デジタル大辞典によると 飾りけがなく、まじめなこととある たぶん、〈実存〉或いは〈今ここにあること〉に 通ずるのではないか 飾りに意味を認めず 今ここにあることに覚悟を持って誠実に向き合う 踏み込んで解釈するなら 質実とは一つの哲学を内包した 力強い指針だと言える ならば飾りとはなんだろうか …

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