My Way

FBD1CDB6-617D-4794-94CE-80084F87C16D.jpeg多くの賭場を渡り歩き
いくつもの山河を越えてきた

長居をした宿場も有れば
早々に退散したところもある

四十一までは一所に懸命だったが
その後は渡世の道に入った

何故その一所を捨て
渡世人になったのか

理由を並べれば山ほどあるが
それは誰にもわからないと言ったほうが正確なのかもしれない

それから多くの宿場に逗留し
賭場にも通い詰めた

切った張ったを繰り返し
栄光のそのひぐらしを生きてきた

生き延びてきたからには
多少の自負はある

だが所詮二本差しではなく
長脇差を振り回す百姓上がりの俠客くずれだ

ヤクザも堅気も
たいして変わりなどありゃしない

世の中にはただ
楽じゃねえしのぎがあるだけだ

ご立派なやつなどどこにもいやしない
色んなかたちをした薄汚い野郎がいるだけさ

人別帳に俺の名はない

俺の中のおれも
宿場町や賭場のひとつひとつに捨てていって
もはや何一つ残っちゃいない

亡霊のような俠気だけを腰間の長脇差に残し
またひとつ宿場町を後にする

未練などどこにもてというのか
長楊枝のように吹き捨てる

三度笠を深めに被り
まんとをひるがえし

お天道さんの指し示す道を行く
この骸をとどけるかのごとく

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この記事へのコメント

ママジャム
2020年07月03日 03:14
いつの時代も人は似たものだよね
切なく哀しい旅の空を、ふっと此処で、一服している。そうさ、生きていることは、たいしたものは不要だし、腰間の剣さえあればいいのさ。旅は続く。