てめえを嗤う

安部公房の「砂の女」の不気味さを思い出す あらゆる手段が崩れ落ちる砂に吸収され 無力化される 何をどうやってもアリ地獄のような 砂の穴から抜け出せない 上昇志向の亡霊が 体の中でのたうち サラサラと音を立てて滑り落ちる砂の斜面が 冷ややかな憎悪を孕み遠まきに包囲する 生物学的にも、社会的にも…
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まんざら悪い絵ではない

切り立った断崖の下のわずかに張り出した松の根元に かろうじてぶら下っていた この根っ子のように わずかなとっかかりが生きるうえにおいて どれほどに大きなものであるかを思い出していた この根っ子は俺に 不条理な苦しみを与えているのではなく 体を張ってこの世に繋ぎ止めている 苦しみから逃れるのは簡単だ …
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海に消えたサイコロ

だれもいない海 握りしめたサイコロ二つ ちからいっぱい沖合いに向かって投げ捨てた 変数xで人生の帳尻を合わし なんとか生きてきたが 同時に変数xは俺の人生を食い散らかし 数え切れない絶望をもたらした その絶望がまた変数xを必要とし 性悪女との縁は死ぬまで続くのだと思っていた とどのつまり自ら…
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