賑やかな会話

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久々に顔を出した青空

太陽は西の空の厚い雲になお隠されているとはいえ
辺りはなんだか夕暮れのように暗い

蝉は鳴いてる
ツクツクボウシが精一杯鳴いている

近くにある米軍キャンプの家族がひと組
海水浴に来て夏の名残りを惜しんでいる

言葉にならないことば以前の、俺のこころを覆う何かに
ツクツクボウシの大合唱が相づちを打ち、賑やかに同意を示してくれる

ああ、そうだ
俺はだれかとそんな会話がしたかったのだ

どんな会話か知らないが
俺はそんな会話に飢えていたのだ

ツクツクボウシはいつまでもいつまでも
俺のまわりで賑やかに大合唱を続けてくれる

すがたは見えないが
多くの相づちと共感がここにある

いつの間にか俺は石柱か敷石のように
ここの風景に溶け込み
穏やかな気持ちで、うら寂しい海を見ていた

つかの間の青空もやがて雲にかき消され
再び秋雨前線の下に物憂い日々がしばらく続くという


今度ここに来る時は
もう秋の顔をしているんだろうな


見えない太陽もさらに傾いたようで
俺はスニーカーを履き帽子を被るだけの帰り支度を始めた

俺を大合唱で送ってくれるツクツクボウシのみんな
ありがとうね 、元気でね

アディオス、さらば!
(また会おうと言う言葉を呑み込みながら)



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この記事へのコメント

ママジャム
2019年08月31日 00:02
夏と秋の間は不思議な空間ですね。膨張した風船が、突然割れてしまったような、、、、、、ツクツクボーシの姿なき声に、やはり切なさが沁みますね。