アロハを着たハンター(深海の覚醒)

凄まじい水圧で泥濘に打ち込まれた肢体
漆黒の闇の彼方から深々と降りてくる
限りない記憶のマリンスノー
深い深い眠りの残滓
捜す早春の日差し
蛍光塗料に光る午前1時を指す時計
わずか3時間の遥かなる追憶
一万年前
俺が抱えた絶望とは何だったか
俺が育む希望とは何だったのか
闇の彼方から滾々(こんこん)と降りてきて
肢体に薄っすらと降り積もり堆積していく記憶のマリンスノー
遥かなる時を経て
深い深い深海の水底に堆積したマリンスノーのように
遠い昔の自分が見える
長く忘れていた懐かしい友のような記憶
俺って何だっけ
思い出さなきゃならない俺って何だっけ
遥かなる時に忘れた絶望と諦念
洗われた怒りと慟哭
俺って何だっけ
漆黒の闇に開いた瞼(まぶた)
再び閉じる
今度は早春の朝の
軟らかな日差しに出会うために

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