狂人志願(梅雨だけでも早く明けろ)

水蒸気の海に溺れそうだ

情緒の海 形容詞の海 煩悩の海 生活の海・・・・

ただ しとしとと したしたと 幾万年も降り続く・・

常に低気圧の下 地球の下水道にある国

田園広がる 日いずる葦原の国とひとはいう

スコールでも ハリケーンでもない

春雨 梅雨 秋雨 冬曇 と 一年中低気圧の下にある

  厚い雲が垂れ込め 摂理とも真理とも情熱ともかけ離れたしょぼくれた雨が

          ただ しとしとと したしたと 幾万年も降り続く


 豊饒の ひとつのかたちなのかもしれない

 余計なものに溢れた どんずまりの停滞だ


荒野と言うとき ひとは停滞前線の低気圧の下の 湿気にまみれた

薄暗い風景は想像しないだろう

 そうだ   草もそぞろの 乾き切った炎天の大地だ

灼熱の太陽を遮るものはない  空は青く高く 底なしの宇宙に開かれている

  何もない

 ただ そこには情熱?と狂気?と絶望?がある

 真実に肉迫しているという予感がある


情緒 感受性 形容詞 煩悩 生活・・・ 豊饒という停滞

豊饒というがらくた 豊饒という水蒸気にまみれた生ゴミ

その何処を探したって 求めるものはない


この国に 荒野はない。

水蒸気の海で腐り果て 田んぼの肥やしになるだけだ。



突破するのではなく 破壊するのではなく ただ水に流して

水蒸気の海にまた 幾千年早苗を植え続ける豊饒の国


ほんとうに溺れちまいそうだ。