狂人志願(閃光を放つ 村上龍)

一週間ほど前 結局たどり着いたところは 村上龍と北方謙三だと言った。

本当に今一番読みたいのは 村上龍だ。


バブルが弾けてはや20数年 事実は小説よりも奇なりの時代が長く続いた。

間にITバブルを含むミレニアム幻想を挟んで 日本はグローバリズムというアメリカの罠にはまって凋落の一途。

その日本がようやく立直りかけたとき やりたい放題のアメリカに鉄槌がくだされ そこから立直る過程において 資

本主義の胴元自らがいかさまを繰り返し 世界を巻き込んで金融資本主義の崩壊を招いた。


貿易立国の日本は そこでも当のアメリカ以上にそのとばっちりを受け 嘆かわしい政治の体たらくもあって この国

はこの国で 閉塞 膠着 どんずまり なのだ。


そして更に  泣きっ面に蜂の 東日本大震災だ。



奇なり 奇なり と面白がり 踊りオドッタとどのつまりが このざまだ。


20数年ぶりに小説の可能性に瞠目し 再び村上龍にたどり着いたとき

彼が その20年のあいだもまた 凄まじい闘いを繰り広げていたことを知って愕然とした。

この20年 彼の闘いを追いかけていたら こんな甘っちょろい生き方はしなかっただろうと 悔やまれてならない。


「コインロッカー・ベイビーズ」 「愛と幻想のファシズム」 「五分後の世界」 「半島を出よ」・・・

 「コインロッカー・ベイビーズ」 1980年

 「愛と幻想のファシズム」   1990年

 「五分後の世界」   1994年

 「半島を出よ」     2005年


「希望の国のエクソダス」 「インザ・ミソスープ」・・・

村上龍の生き方も 小説のテーマも 文体も 荒唐無稽なフィクションも 何もかも闘いと挑戦に満ちている。


エンターテイメントには違いないが それを越える本気が伝わってくる。

とくに 愛と幻想のファシズムの主人公 「鈴木冬二」の魅力は圧巻だ。

こんな厳しい小説をあの狂乱バブルの弾けた翌年に書いたなどと 信じられない。

 
何という厳しさだろうか 


全共闘世代に少し遅れた村上龍に 挫折感はない。

彼はただ どう突破するかだけを考え 最前線で戦い続けているのではないか。






愛と幻想のファシズム(上) (講談社文庫)
講談社
村上 龍

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